潮風もひんやりと肌を刺す2017年12月。横浜関内にてジャズピアノクラスの恒例ライブイベント「JazzPianoLive 2017」を開催しました。今年は9名が出演しスタンダードナンバーを中心にユーミンからゲーム音楽まで。皆さんでつくる全17曲の3ステージはジャズ特有の緊張感が漂いながらもどこか穏やかで暖かい。そんなジャズならではの空気感が心地よい素敵なひと時となりました。B5用紙1枚ほどの楽譜から5~10分の演奏を紡ぎ出す・・・これがなかなかどうして一筋縄ではいきません。それを演奏者自身が楽しみながら歌い上げお客さんから拍手を戴くまでの道のりは決して平たんではありませんし「じつは1ヶ月前から緊張してちょこっと痩せた!?」あとからそんな声も届くくらい。
もちろん毎日ピアノだけ触って過ごすわけではありません。皆さんそれぞれに家事や仕事や試験勉強やいろいろな制約があるなかでステージを踏むには様々な苦労もあったことと思います。それなのに弾き終えれば不思議とステージが恋しくなるような名残惜しさも感じたりして。お客さんが聴いてくれているからこそ見えてくる発見も多かったのではないかと思います。そしてなによりは弾き終えたときの笑顔(開放された笑み?)と楽しかったという想い、やっぱりここは大切ですね。今回の演奏にはこれから先へ進むヒントが隠れていますから次はもっともっとジャズっぽく。正確に言うとジャズっぽく?とはどんなことかを具体的に理解しつつ今回の演奏で用いた手法を発展&応用させて楽しみを広げるということになります。でもそれは今日演奏したから見えてくる世界、このライブが大切な経験になったことと思います。
ステージに居るとなにか自分たちしか知り得ない楽しみに触れているようなワクワクした感じ。と言ったら大袈裟かもしれませんが職業や年齢や時には国籍さえも関係なくひとつの曲を通して繋がっている瞬間がなんだか嬉しいんですね。ジャズというととかく難解な音楽に思われますがその時々”枠組み”を設けることできちんと楽しむことができますから、これからすこしづつその枠組みを広げつつまた1年後に音を出してみましょう。
当日演奏した曲 全17曲(3ステージ)
- MOON AND SAND
- TAKING A CHANCE ON LOVE
- ON GREEN DOLPHIN STREET
- LUPIN THE THIRD
- I’LL CLOSE MY EYES
- BLUE IN GREEN #Quartet
- SUPER MARIO BRO’S, GROUND THEME
- ISRAEL
- WORK SONG
- MICHELLE
- ALFIE
- BODY AND SOUL
- AUTUMN LEAVES
- ALL THE THINGS YOU ARE
- あの頃のまま(呉田軽穂)
- YOU’D BE SO NICE COME HOME TO
- DAAHOUD
(B) WAL NOLYMAN (Dr) TAKI TANABE
ステージの様子 音源をランダムに抜粋
ライブ感を重視した録音のため雑音もご愛嬌。。
掲載音源はウェブ用に加工したもので音質に多少の劣化があります。
当日のチラシより
ジャズの世界で “トリオ”といえばやっぱりピアノトリオ。
メロディー・ハーモニー・リズムという音楽の3要素を1人で奏でることのできるピアノに
ベース&ドラムスを交えて繰り広げられるジャズならではの心地よい緊張感が魅力です。3人で生み出す瞬間芸術。 今日はどんな演奏が生まれるのでしょう?
「トリオで演る」ジャズピアノの醍醐味がここにあります。メロディーとコードしか書かれていないB5用紙1枚ほどの楽譜から紡ぎだされるジャズの世界。
原曲の単調なメロディーはそのままだと雰囲気が出ないし・・・
表記どおりのコードだと響きが幼稚だし・・・。スタンダードナンバーの楽譜は目を疑うほど簡素なものですが
シンプル故に 創り込む楽しみ があり 産みの苦悩 も持ち併せます。
たった1枚の紙からはじまる冒険旅行・・・
“曲”という題材から広がる楽しみは尽きません。ジャズというと、なんとなく敷き居の高いもの?と思われがちですが
一部省略
グラスでも傾けながら(オイオイ プラスチックじゃん)音楽のある素敵なひと時を。
どうぞリラックスしてお楽しみください。
トリオ
3人での演奏を指しますがジャズの世界では一般にピアノトリオを意味します
コード
音楽に不可欠な和音をアルファベットと数字で記したもので演奏の道しるべになります
スタンダードナンバー
ジャズプレイヤーに好んで演奏されてきた曲を指し1950年・60年・70年・・・
など年代ごとの流行や国による趣向の違いがあります
この記事は2024年1月のウェブサイトリニューアル以前のものです。旧サイトからの移行に際して必要な修正を加えましたが文章はあえてそのままにして当時の面影を残しました。少々見辛い部分もありますが読みやすくなるよう少しづつ整えていこうと思います。