2017年6月、晴れ間の恋しい梅雨の日曜日にPianightを開催しました。毎回、様々な趣旨を設けて開かれるPianightですが今回はジャズピアノクラス「ちょいと遅めのスプリングジャムセッション」。ゲストミュージシャンを迎えピアノトリオでの即興演奏を体感する練習会として30曲に迫る演奏が繰り広げられました。最近はアレンジされたジャズピアノの完成譜も多く販売されていますし、じっくり時間をかけてジャズアレンジを書くのも楽しみ方のひとつですが今回はジャズの醍醐味でもあり踏み込みにくい領域でもある即興演奏に挑戦。挑戦!と言っても決して即興演奏自体が目的なのではなく即興演奏家が2人以上で奏でる瞬間芸術を楽しむために即興演奏の技術が必要、、というところがポイントです。
ジャズのディープな部分に触れるために必要な即興演奏の技術ですがなんでも即興で演奏しなくてはいけないなんてことはありません。グラス片手に他の方の演奏へ耳を傾けてみると偶然のようで必然性のある演奏の展開に気が付いたり、ピアノの音色が皆さん違うことに気が付いたり、同じ場所で同じ楽器を弾いているのに面白いですね。アンサンブルは必ず個々の技術のなかで楽しめますから今日の演奏は皆さんそれぞれの今の音。どんなに紙の上で理解していてもセッションという練習の場でしか得られないこの音楽体験がジャンルを越えより深いピアノの楽しみに触れるヒントになることと思います。なんて堅苦しく締めくくりましたが “緊張したけど楽しかった” これがなにより大切ですね。
ピアノとベースとドラムスのうしろで皆さんが耳を傾けて。緊張感もあるのにどこか暖かく穏やかなジャズの空気に包まれながら1曲目M子さんの演奏がスタート(B. Wal Nolyman/Dr. Taki Tanabe)。これから始まる冒険旅行に心が躍ってなんというかピアノを楽しむ大人たちの放課後みたいなワクワク感。音楽ってやっぱり素晴らしい、そんなあたり前のことを改めて肌で感じる素敵な日曜日になりました。
- この会の録音は簡易的なものになります
- サイト内の音源再生には
Flash Playerが必要です(追記:現在はブラウザで再生いただけます) - Pianightでの演奏は任意ですので見学でもご参加いただけます
この記事は2024年1月のウェブサイトリニューアル以前のものです。旧サイトからの移行に際して必要な修正を加えましたが文章はあえてそのままにして当時の面影を残しました。少々見辛い部分もありますが読みやすくなるよう少しづつ整えていこうと思います。