お問い合わせのなかでも意外と多いのが「バイエルからやらないといけないんですか?」というもの。最近もそんなメールをいただきました。バイエルは意見の賛否も多い教本ですが教室では1冊または一部を抜粋して必要やご希望に応じて使用する場合があります。

「子供が手始めになぞるものでしょ?」
「あれのどこが面白いの?名前を聞いただけでテンションが・・・」

そんな気分になる方のお気持ちよーくわかります!けれどそこはさすがに100年以上も弾かれてきた教材。ピアノを上手に聴かせるためのポイントがたくさん隠れているんですね。そのポイントに気が付かなければつまらない曲を寄せ集めた1冊になってしまいますが、そのポイントこそがピアノの落とし穴でもあり同時に面白さでもあります。例えば2人の方が60番を弾いたとしましょう。どちらも楽譜どおり弾けているけれどBさんの方がかっこいいとしたら・・・そのかっこよさの秘訣を知りたくなるものです。鍵盤を落とし込めばとりあえず音の出るピアノだからこそ見落としがちですがシンプルな曲を弾いても技術や経験により違いがでる、ここがピアノの面白さなんですね。

大人の目線で取り組むと意外にも楽しめるバイエルですが大切なことは練習の意味を理解しながらひとつひとつの課題曲を楽しめること。ついつい心の片隅で「チェっ!大のオトナがこんなもの」なんて思ってしまいがちですが、他にも多彩なテキストがありますし押し付けるようなことはありませんのでご心配なく。お金も節約したいし早く新居に住みたいから基礎工事は省いて土の上に家を建てちゃった?でもそれでは長く住むにはちょっと不安もありますから基礎工事もある程度しっかりして早く家を建てちゃいましょう。教室ではポピュラーピアノ・ジャズピアノをより深く楽しむために「違いがわかる大人のバイエル」として多くの方々に楽しんでいただいています。

後にみえたルミコさんご協力のもと大学での試験を模して(写真左)
つまらない奴?と思われてるけど熱いハートを秘めてたり(写真右)

保育士さんを目指している方のための保育士ピアノクラスで奮闘中のT君。大学での教材がバイエルということでレッスンを重ねいよいよ本も終盤へ。好きとか嫌いということに関係なく始めたとはいえバイエルを通してテクニックも身に付きましたし秋の試験結果も良好だったし。すこし試験対策を離れて大好きなシブリ映画の曲なんかも!?なんて自然のうちに弾くことの奥深さに気付き趣味としてもピアノの世界が広がりそうですね。

  • 教室にはクラシックのレッスンクラスはありません
  • バイエルなど古典の教本は他のレッスン曲と併用し補助教材として使用します
  • 関連リンク As Classic
この記事について

この記事は2024年1月のウェブサイトリニューアル以前のものです。旧サイトからの移行に際して必要な修正を加えましたが文章はあえてそのままにして当時の面影を残しました。少々見辛い部分もありますが読みやすくなるよう少しづつ整えていこうと思います。